脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

カメラ大好きっ子達にナイスな感じのYouTubeチャンネル『カメラ部TV』を(勝手に)ご紹介

 昨日ネット上を徘徊していた時、カメラ技術に関して解説している良さげなYouTubeチャンネルを見つけましたのでメモも兼ねて紹介してみます。
 
 こちらの『カメラ部TV』というチャンネルです↓(すでに知っていたらごめんなさい)
 
 まだ数本の動画しか見てませんが、デジカメ開発に携わっている僕から見ても結構内容がしっかりしてますね(上から)
 
 それもそのはず、チャンネルを運営されているダイさんは33年間のデジカメ開発経験をお持ちの元技術者の方で(若造が調子こいてすみませんでした。。)、早期退職を期にYouTubeを始められたようです。去年始まったばかりのまだ新しいチャンネルです。
 
 
 この動画を最初に見たんですが、最後の方の「コントラストAFは横線に弱い」という解説で、いろんな意味でスゲーっと思いました。そんなどこのメーカーも開示してないようなことまでさらっと言うんだなって(笑)
 
 
 ライカとのこの深い繋がりは、、ダイさんは元P社の人かな?(もしかしてどこかで関わりがあったのかもしれない)
 
 ダイさんはメカと光学の設計者だったようで僕の専門外の事を詳しく語ってくれそうなので(ちなみに僕はイメージセンサという半導体が専門)、とりあえずこれからちょくちょく覗いてみようと思ってます。

映画)ほえる犬は噛まない__ポン・ジュノ__2000

 

 またしてもポン・ジュノ作品。すっかりファンになってしまったな。。本作はポン・ジュノの長編デビュー作らしいです。
 
 団地の管理事務所で働く女と、その団地に住む大学教授のポストを目指す男が、犬の失踪事件をめぐってやいのやいのとやる話(適当)
 
 あらすじなんて説明しても意味がない程、つかみ所がないというか、ジャンル分け不能な映画でした。でもなんか好きですね。独特の雰囲気があります。
 
 特にヒロインのペ・ドゥナの自然体の演技が良かったです。この人、是枝裕和監督の『空気人形』の主演の人なんですね(全然気がつきませんでした)。本作の演技の方がぶっちゃげ断然良いです。若くて純粋で、毎日退屈で何もない、という感じがすごく良かったです。

本)人生を変える幸せの腰痛学校__伊藤 かよこ__2016

 

 この本は世界初の「読者の腰痛を治す事を目的として書かれた小説」です。目から鱗の話が満載ですごく面白かったです。

 

 なんで小説で腰痛が治るの?と思う人も多いでしょうね。簡単に言えば、慢性腰痛の原因は多くの場合腰そのものではなく、痛みに対する恐怖心やストレス等の精神的なものだからです。なので小説を通して正しい知識を身に着けつつ、主人公に感情移入しながら精神的な部分をケアすることが腰痛改善につながる、というわけです。

 

 ※実はこの「腰痛の原因が腰にはない」という不思議な事実は、最近の医学で分かってきたことです。以前この辺のことを調べて記事を書きましたので、是非読んでみてください。

 小説の主人公は20代の女性で、腰痛のせいで仕事を失い入退院を繰り返す日々に絶望しています(←かつて著者自身が経験したことらしいです) 。彼女はとあるきっかけで小さなクリニックで行われている「認知行動療法プログラム」に参加することになり、そこで少し変わった先生と出会い、他の参加者と励ましあいながら腰痛を改善していくというストーリーです。
 
 勇気が湧いてくるフレーズが随所にちりばめられており、腰痛持ちの僕としてはかなり共感してしまった感があります。
 
 以下、本文より引用。
笑いはねえ、あらゆる体調不良を改善するのに効果的なんです。
 
みなさんだって明日死なない保証はどこにもないんですよ。腰痛のことはひとまず横においといて先に幸せになりましょうよ。そのためにはね、私は幸せになるんだとまず最初に決心することなんです。
 
肩こりという概念がない国では肩はこらないの。結局、『思い』や『考え』なのよね。
 
今の日本は、健康情報にあふれて、その情報によって健康不安をあおられるからね。あらゆる暗示にかかり放題なんですわ。
 
腰痛が治っても治らなくてもどっちでもいい、腰痛のことがどうでもいいと思えるくらい、今この瞬間を思いっきりいい気分で過ごせたらええね。
 
 読後は腰痛のことを随分と楽観的にとらえられるようになりました。認知行動療法について知らない人はひとまずこの本から入るといいんじゃないかと思います。

コロナワクチン2回目ぶちかましてやった

 今日2回目のワクチン接種が終わりました。2回目は副反応が強いと聞いていたので気合いを入れていたのだけれど、針を刺したところが若干痛いだけで今のところ特に何もなし。明日は念のため休暇にしてありますが、普通に仕事できそうな感じがします。(しませんが)
 
 ニュース等で言われている通り、医者から「十分に免疫がつくまでワクチン接種日から2週間必要」と言われました。2週間経ったら近くの薬局に行ってワクチン手帳を提示すれば、スマホに保存できるデジタル接種証明書用のQRコードを発行してもらえる、とのこと。
 
 このデジタル接種証明書は現時点で既にEU内では共通で使えるらしいです。(しかし当然ですが感染状況によっては接種証明書があっても入国できない国もあるので注意)
 
 ドイツ在住の方向けに、このページがよくまとまってます↓

ワクチン接種のデジタル証明 - ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト

 

 というわけで、来月からは旅行に行こうと思えば行けるわけです。でもなんか、さっぱり実感湧かないですね。。これまでの長すぎる引きこもり生活のせいで、外の世界に踏み出していく心のスイッチが既に死んでいるような感じです。。それに感染リスクもまだゼロではないし。同僚達はこの夏休みはEU内を筋斗雲のようにかっ飛んでいるみたいなんだけど、それで本当に大丈夫なんだろうか。。? しばらくはまだ家にいた方が賢明なんじゃないの。。(とフェイクを入れつつ、僕も近々どっかにかっ飛ぶのかもしれません。。) 

 
 らんまるが好き過ぎて、動画見ながら話しかける位好きで、ふとした時に「今らんまるどうしてるかな」って思い出す程で、仕事にも差し支える位にらんまるのことを考えているのであって、この末期症状を自覚していながらそれでもらんまるの動画をクリックしている今日この頃、日本にいるらんまると遂に心が通じたのか最近は夢の中でらんまるが僕に会いに来てくれるようになりました。(僕が会いに行ってるのかもしれませんが)

出社拒否するドイツ人

 ドイツに来て今月でちょうど3年です。来る前は旅行をする事を楽しみにしていましたが、コロナのせいでほとんどどこにも行けなかったのは残念です。(そもそもこのブログは旅行を記録するのが目的じゃなかったっけ。。) でも再来週2回目のワクチンを打つので、ここからまた新たな展開が始まるのではと期待しています。
 
 ところで会社の仕事はこれまで基本的にリモートワークでしたが、今月から”月に10日(つまり勤務日の半分)はオフィスに来なければならない”という方針が所属部署の方から打ち出されました。まだデルタ株の広がりは収まっていないので、個人的にはなかなか大胆な決断だなと思ってます。
 
 しかし案の定、会社の方針に逆らって出社拒否をしている社員もいます。”ワクチン打ちたくない派”の人達です。その中には技術マネージャー(エンジニアの事実上のトップ)の方もいます。先日その方とビデオミーティングで話した時に感じた印象ですが、単に感情的にワクチン接種に反発しているというわけではなさそうでした。mRNAワクチンについて文献を読んでリサーチをした上で「今打つのはリスクがある」と判断したようです。
 
 こういうのがいかにもドイツ人(広くヨーロッパ人)らしいな、と思います。つまり自分で勉強して個人で判断する。たとえ組織や多数派と対立してでも。先の技術顧問の方はその傾向が特に強く、社食で皆が食べている物でさえ、産地が不明な場合等安全性を信用できなければ食べません。
 
 これに関連して、僕がドイツに来て間もない頃すごく印象的だったことがあります。会社でのランチの時、向かいの席に座っていた僕と同世代の同僚のドイツ人女性に、今度車を買うのだと言ってみたところ、彼女は車をどのように選ぶべきかについてひとしきりの意見を言いました。それを聞いてすごく感心した覚えがあります。エンジンやトランスミッション等の基本的な車の仕組みをきちんと理解した上で、自身の車を選び(確かホンダでした)、乗っているようだったからです。ちなみに彼女はエンジニアですが畑違いなので、車に関しては単なる一般利用者に過ぎません。
 
 つまり、ドイツでは自分の生活に関係してくる身の回りの物事について学ぶのはほとんど当たり前のことなんです。日本人的感覚だとランチの時に車のエンジンについて解説するような奴は”オタク”ですよね。でも考えてみれば、仕組みを知らずに車に乗るなんて危険でおかしなことです。
(一方日本に住む僕の母親は、この前僕に「CPUって何?」という質問をしました。こういう人はドイツ人的に言えば典型的に常識のない人です(笑) スマホやパソコンを使っているのではなく、自分が使われている)
 
 僕は常日頃ドイツのこのような文化を素晴らしいと思っています。何も皆が専門家のように持論を展開するわけではありません。でも基本的な概要を抑え、その上で自分がどのように物事と関わっていくかを決めています。テクノロジーのことだけではなく、政治や環境問題に対してもそうです。逆に言えば多数派と同じ振る舞いをする事が"常識的である"ということにはなりません。
(今の日本には、mRNAワクチンに対する個人的見解を基に断固として出社拒否を貫き通す気合いの入った重役はいるのか!?いないならその画一性こそが問題だ)
 
 そして僕も人のことは言えません(この記事は自分への戒めとして書いています)。 身の回りのことを理解するといっても大変なことですよね。焦らず、少しずつでも勉強していくことが大事だと思ってます。僕の場合まずはドイツ語からです。。
 

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 今年のドイツの夏は寒いです。。朝晩は長袖着てないと風邪引くレベルです。

フランクフルトほっつき歩いてきた(再)

 パスポートの更新をしにフランクフルトに行ってきました。4月に行った時はまだロックダウン中だったので、店が開いているフランクフルトは超久しぶりでした。コーヒーでも飲もうと思ってスタバに行ってみたところ、「店内での飲食にはコロナの陰性証明かワクチン接種証明の提示が必要」と言われました(ので外で飲みました)。ドイツでもデルタ株が広がっているらしいので、完全に制限が解かれるのはまだまだ先の事になりそうです。

 

f:id:Daturyoku_Pukapuka_32:20210801233134j:plain日本領事館が入っているなかなか立派なビル(海外でのパスポートの更新は、各国にある日本の在外公館で行ってくれます)

 

f:id:Daturyoku_Pukapuka_32:20210801233448j:plain様々なイベントの会場となるメッセフランクフルトでは、現在ワクチン接種も行っているようです

 

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実はソニー純正のEマウント20mmF1.8 Gレンズを今年2月に買いまして、ここ最近はずっとそれをα7IIIに付けて写真を撮っているのですが、広角単焦点って初めて買ったので結構扱いが難しいです。。例えばこの写真、後ろのハンマーマンにピントを合わせているので手前の花をもっとボカしたいんですが、このレベルの超広角になると奥行きのある風景写真ではそんなにボケないんですねえ。。これでもF2で撮ってるんですよ!? 逆に近い被写体を開放で撮るとボケ過ぎるし。。なかなか奥が深いです。(ちなみに画質は抜群に良いです)

 

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「居酒屋満月」にて久々の日本食。ここは美味いのでおすすめ。

https://izakaya-mangetsu.de/messe/ja/

日本人の店員さんから「前も来られたことありますよね」と言われて驚きました。僕が使っているビリンガムのバッグが前から欲しかったらしく、それで覚えていたらしいです(笑)

 

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トラム(路面電車)

 

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夏は公園(の地べた)に座ってくつろいでいる人がたくさんいます

本)春のこわいもの__川上未映子__2021

 川上未映子の新作短編集。6つの短編全て、感染症が世界に蔓延している状況下での話です。一番好きだったのは『娘について』かなー。コロナ禍で1人家で仕事をしている小説家の元に、遠い昔の親友から電話がかかってくる、という話。若き日の青春のリアルが(ものすごい痛みと共に)胸に迫ってくる素晴らしい作品です。
 
 『春のこわいもの』はオーディオブックサービスの「Amazon Audible」で先行出版され、小説もその事を前提に書かれたものらしいです。文芸業界も変わってきてますね。というか知らなかったけど、オーディオブックって(特に海外で)既に結構普及してるらしいですねぇ。
 
 というわけで僕は今回初めて小説を”聴く”という体験をしたわけだけれど、特に抵抗は感じませんでした。岸井ゆきのさんの朗読が上手で心地良かったです。
 
 でも、やっぱり紙の本と比べると一長一短という感じですかね。言葉の意味を漢字で把握できない分、一瞬理解が追い付かないということが何度かありました。”成功”だと思って聴いていたら”性交”だった、とか(笑) 
 オーディオブックばかりだと漢字が書けなくなりそうな気がしますね(もう十分なってますが)。辞書を引かないし、そもそもまず作家も難しい言葉を使えないはずですので。
 
 でも作業をしながら聴けるのはいい点ですね。あと、仕事で疲れていて普通なら本を読みたくないような時でさえ、部屋の電気を消して目を閉じて朗読を聴いているとやけに感動したり、なんてこともありました。
 
 『娘について』では主人公の小説家が、低迷する文芸業界の現状を嘆くシーンがあり、この辺りは著者が日々感じていることを代弁してるんですかねぇ(2019年の『夏物語』でも同じようなシーンがあったような。。)。今回ははっきりと”小説なんてもう誰も読まなくなった”みたいなことを言うシーンさえありました。
 
 良くも悪くもライフスタイルがどんどん変わっているのを感じます。オーディオブックが出版不況をどう変えていくのか、注目ですね。