脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

本)存在の耐えられない軽さ__ミラン・クンデラ__1984

 

 

1968年に冷戦下のチェコスロバキアで起こった民主化運動「プラハの春」を題材とした小説。恋愛小説ってことになってるけど、政治思想、宗教、哲学等が混ぜ合わさったかなり骨のある本です。映画化もされているらしいですね(観てませんが)

 

チェコスロバキア生まれの著者ミラン・クンデラ自身も民主化運動に積極的に関わった一人だそうです。結局プラハの春はソ連軍の武力行使により鎮圧され、反政府分子であるクンデラは人気作家であるにもかかわらず著作は自国では発禁処分となり、国籍も剝奪され、フランスに亡命せざるを得ませんでした(後にフランス国籍を取得)。

 

それでもクンデラは著作を通じて母国政府への批判を続けました。『存在の耐えられない軽さ』は亡命後の作品で、フランスから発表され世界的なベストセラーとなります(原作は母国語のチェコ語ではなくフランス語で書かれました)

 

冷戦時の東側(社会主義側)の生活って本当にひどかったんですねえ。。人々に言論の自由はなく、メディアは嘘ばかり流す。政府に同調しない教養人が次々とポストを追われ、政府が民間人の家に盗聴器をしかけるなんてことも。。。今となってはこの小説は歴史資料としても価値があります。

 

主人公の男性は、もともとはプラハで働いている優秀な外科医だったのですが、共産党を批判した文章を雑誌に寄稿したことがきっかけで転落し、最終的には田舎でトラックの運転手をするはめになります。

 

一方主人公と同じチェコスロバキアで生まれながら、母国を捨て西側(資本主義側)に亡命し、画家として成功する女性も登場します。彼女は若い頃から親や美術学校のみならず母国の政治思想・システム等あらゆるものに反発しながら生き、結果アメリカで自由な生活を手に入れます。でもその”軽さ”に耐えられないのですね。なんの悩みもない代わりに、反発する対象もないことが辛くてたまらないわけです。

 

外科医の重い人生と画家の軽い人生。結局どっちが良い人生だったのか、読み終わったあとにうーんと考え込んでしまうような深い小説です。

ウクライナvsロシアの戦争でドイツはどんな影響を受けるのか

今『存在の耐えられない軽さ』という小説を読んでいるところで、これが旧チェコスロバキアの民主化運動(いわゆるプラハの春)を鎮圧するためにソ連が軍事介入した事件を扱った話なんです。本当にたまたま手に取った本ですが、タイムリーにロシアがウクライナに攻め入ったもんだから、ぶったまげました。。小説の中で描かれていることが現実に起きたような不思議な気持ちでニュースを見てます。。(軍事攻撃は今回の方がチェコスロバキアの時よりずっと激しいのですが)

 

社会主義が失敗に終わってソ連が崩壊したあと、ロシアは自由経済化したわけだけれど、国の統治のあり方は共産党独裁の頃からそれほど変わってないという印象を受けます。未だにロシアの国営放送は情報統制されていてプーチンに有利な情報しか流してないらしく、田舎に住むテレビしか見ないおじちゃん・おばちゃん達はプーチンを支持してるんだとか。。こんな時代に信じられん。。インターネットを見ろよ(笑)

 

聞くところによると、ロシア兵もプーチンの独断による決定にしぶしぶ従っているだけで、ウクライナ侵攻にそれほどやる気がないらしい(笑) 軍事演習だとニセの連絡を受けて、訓練だと思い込んだまま戦争に参加されられているロシア兵もいるのだとか。。。ロシアが苦戦しているのはこういう背景もあるらしいです。もう誰が被害者なのか良く分かりませんね。(情報ソースはひろゆきのYoutube配信です(笑) 真偽のほどは不明ですので注意)

www.youtube.com

 

そして、ここドイツにはどんな影響があるのか?

 

今の所の可能性として濃厚なのは、電気代とガソリン代が上がること。なぜなら天然ガスと石油に関しては、ドイツはロシアからの輸入に頼りまくりだからです。

 

そもそもニュースで言われている通り、去年から欧州全体で電気代とガス代が上がっている状況です。コロナ禍からの回復による急激な需要増加のためと言われてます。ロシアへの経済制裁で輸入が止まれば、ドイツにとってはかなり痛い追い打ちです。最悪、計画停電をせざるを得ないかもしれませんね。

 

ドイツは福島の原発事故以降”脱原発”路線で頑張っていて、今年中に国内の全原発拠点を停止する予定だったんですが(普通にすごい)、現在ロシアの件を受けてその期限を延期する可能性が浮上してます。

 

さらに環境先進国であるドイツは”脱炭素化”のため、2030年までに石炭火力発電も止める計画になっています。その後は電力の大部分を、風や太陽光等の「再生可能エネルギー」でまかなうらしいです。この件についても本当に実現可能なのか、今後議論の焦点になるでしょう。

参考)ESG Weekly: 欧州が直面するエネルギー危機、脱原発巡る分断浮き彫り - Bloomberg

 

ちなみに電気料金の価格改定があるときはいつも電力会社からドイツ語の手紙がくるんだけど、読むのだるくていつもノールックです(笑) なので実は今自分がどのくらい電気代払ってるのか知らないんだよね(笑) この調子だと今年電気代が爆上がりしても気が付かないだろうな(笑)

本)リファレンス・ドイツ語__在間進__2017

 

ドイツ語文法を網羅的に解説した本書。2017年に出版された比較的新しい本で、著者は『アクセス独和辞典』の在間進先生です。似たような本に『必携ドイツ文法総まとめ』(白水社)がありますが、ぱっと見で『リファレンス・ドイツ語』の方が読みやすそうな気がしたのでこちらを選びました。

 

300ページ位ある分厚い本ですが、僕は気合いで最初のページから最後のページまで順番に全部読みました! 去年の夏から読み始めて最近まで読んでいたので、半年くらいかかったことになります。

※この本はあくまで分からないことを調べるための”文法辞書”ですので、こんな読み方をする人はあまりいないと思います(笑)

 

とにかく情報量が多いため読み通すのは大変でしたが、今となっては以下のように断言できます。

 

この本は全てのドイツ語学習者にとって、必要十分な内容であり、史上最高の文法書です!!(『必携ドイツ文法総まとめ』は読んでませんが、あえて断言します)

 

解説も分かりやすいですし、手元に置いておけば生涯使える名著です。僕の場合、今後はドイツ語の文章を読みながら適宜この本に戻ってきて復習すれば自然にドイツ語が使えるようになっていく気がします。

 

特に本書の最終章の「ドイツ語の文の構成」の解説が素晴らしいです。今まで曖昧だった「語順」、「文型の概念」、「副詞を置く位置」を理解することができました。

 

本書についてひとつ注意点があるとすれば、出てくる例文が結構難しい点ですね。初学者がいきなりこの本を使うと少し戸惑う部分もあるかもしれません。

 

なので、初学者はまず先に入門用の薄い文法書を読んでから『リファレンス・ドイツ語』を使った方が良いと思います。僕の場合は最初に、同じく在間進先生の『ゼロから始めるドイツ語』を読みました。ポイントが端的にまとまっていておススメです。

 

祝!コロナワクチンブースター接種完了

今週9日についにブースター打ちました。いつものように会社の産業医のところで打ってもらいました。

 

1回目と2回目がファイザー・ビオンテック製だったので、今回の3回目はモデルナを勧められました。違う種類の組み合わせの方がワクチンの効果が高まるという理由らしいです(この辺の理屈は良く分からないですね)

 

モデルナの副作用、正直なめてました。。。モデルナを打った同僚が「熱出して寝込んだ」とか言っているのを聞くと「は?サボルナ」とか思ってましたが(←ダジャレが言いたいだけ)、実際打ってみるとかなり辛かったです。前のファイザー・ビオンテック製の時とは副作用のレベルが全然違いました。打った日は何ともなかったんですが、次の日から一気に体調が悪くなって、2日位悪寒と倦怠感が続きました。今日になってやっと復活してきた感じです。

 

3回目でモデルナを打つ人は気をつけて下さい。可能であれば接種翌日以降の仕事は休みにしといた方がいいかも。。

 

<ドイツにお住まいの方へ>
CovPass等のワクチン接種証明アプリ用のQRコードはブースター接種当日から発行できますよ!1回目、2回目の時みたいに2週間待機する必要はありません。

 

 

ところでつい先日、オーストリアでワクチン接種義務化法案が可決されました。EUで初の事例です。接種しないと罰金らしいです。

オーストリア議会、ワクチン義務化法案を可決 未接種者に罰金 - BBCニュース

 

この決定、僕的には頭おかしいと思ってます。ワクチンって100%安全とは言い切れないのだから、打ちたくない人がいるのは当然です。例えば、全く家から出ないで仕事をしているフリーランサーとか、専業主婦とか。そんな人達まで打たなくていいでしょう。

 

既に「ワクチンを打たなかったら、公共施設や飲食店等を利用できない」という状況になっているにもかかわらず、それでも打たない人達はそもそも家から出る必要を感じていない人達なんだから、放っておけばいいのでは?と思います。そもそも国境を越えて外国人がどんどん入ってくる状況で、自国民だけ義務化してどんな効果があるというのか?? 全く狙いがわからん。

 

そして、ここドイツでもワクチン接種が義務になる可能性が浮上してます。。新首相が義務化に乗り気らしい。。今日フランクフルトに行ったのですが、案の定義務化反対のデモをやっていて、ものすごい数の人達が行進してました。どうなることやら。

 

 

まあとにかく、ブースター打ったのでようやく再び外食できるようになりました。
※今ドイツではワクチン2回接種を終えた上で、さらに「ブースター接種」or「当日の陰性証明の取得」のどちらかの条件を満たさないと飲食店に入れないのです

 

というわけで早速本日のランチで日本食を堪能。鍋焼うどんをドイツで食べられる喜び↓

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ゲーム)バイオハザードヴィレッジ プレイ動画④ (最終回)

ついに全クリした!

底辺ゲーマーのプレイ動画「完結編」、是非観てみてください。

 

プレイし終わって改めて思いましたが、ストーリーがよく練られており、世界観が確立された良いゲームに仕上がってます。

 

そして、エンドロールに流れてくるスタッフの数の多さよ! なんかそれを観ながら感動してしまった俺です。カプコンの皆さん、素晴らしい仕事をありがとう。バイオ9も期待してます。

 

www.youtube.com

左耳が謎のウイルスに感染した(駄)

年明け早々僕の左耳に起きたトラブルについて書いていきます。
事の経緯は以下のとおり。
 
・1月中旬辺り、急に左耳が聞こえにくくなった。耳の中に水が溜まっているような感じ。それが一日中抜けない。
 
・そのうち治るだろうと、そのまま2、3日放置。この頃は不安を感じるどころか、仕事がはかどる感じさえしました。発明王トーマス・エジソンは片耳がほとんど聞こえなかったおかげで周りの雑音も聞こえず人一倍集中力があったらしいですが、まさにそんな感じでした(笑)
 
・2、3日経っても治らないどころか、耳の中の不快な感じが強まってくる。耳鳴りも始まり、ときおり耳の中でブチブチッという音が聞こえる。しかし痛みは全くないので、「壊れたラジオみたいで、ウケるなー」くらいにしか思わず、そのまま放置。
 
・1週間が経っても治らない。この辺りで「まさかこれって突発性難聴かも??」という疑念が生じる。ネットで調べたら、突発性難聴の症状が自分のと結構重なっていて若干ビビる。さらに多くのネット記事で「突発性難聴は1ヶ月以上放置すると聴力が元に戻らない」「1週間以内に病院に行ったほうがいい」と強調されていることに気付き、流石にビビり倒す。
 
・すぐに耳鼻科を予約。頑張ってはみたのだが、最速で3日後の予約しかとれなかった。病院に行く日には発症から既に2週間経過していることになる。左耳の聴力はもう回復しないかも、、、と落ち込む。
 
・一瞬落ち込んだ後、開き直る(早い) 。「どうせならもう完全に聞こえなくなれば、(もう世間の雑音なんて一切無視して)エジソンみたいに真っ直ぐ生きていけるのに」という考えにとらわれる。
 
・ようやく病院に行く。結論、左耳の内側が何かのウイルスに感染しているらしく「膿がたまっている」とのこと。なんだそりゃ?コロナか?(笑) 一方で先生の口調からそんなに深刻ではなさそうなことを悟り、安心する。先の細長い器具を左耳に突っ込んでズズズッと膿を吸いとると聞こえが良くなった。痛みはないのに膿だけ出るって変な感じだなぁ。 とりあえず、突発性難聴ではなかった。
 
はい、ここまでが先週までの話。
その後は処方された"Ear Drop"、つまり点耳薬を使った治療を自宅でやってました。(朝と夜に耳の中に数滴薬を垂らすだけです。)

 

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そして今日検査に行ったら、ひとまずもう通院は必要ないレベルまで回復しているとのこと。耳の聞こえも(少しおかしいですが)ほぼ元に戻りました。いやー、良かった、良かった!
 
ドイツに来てから病院に行くのがますます億劫になった僕ですが、今回の病院はスタッフが皆親切で検査も丁寧ですごく良かったです。今後は何か異変を感じたら、すぐに病院に行くようにしようと思います。
 
でも結局原因はなんだったんだろう?何も心当たりがない。ストレス?? ストレスはほとんどない気がするけどな。最近は健康的な生活をしてるし、強いて言えばバイオハザードによる心理的ストレスくらいかな。バイオハザードが原因だったらウケるなぁ(笑)

ビザ更新完了!ついでにEUブルーカードについて調べてみた

結構心配していたビザの更新がようやく終わりました。いやーホッとしました。。これで向こう3年間のドイツ滞在が許可されたことになります。
 
心配していたのは、やっぱりドイツ語のこと。ドイツ在住の知り合いの話だと、ビザ更新手続き時に役所の担当者からいきなりドイツ語の会話力のテストをされたらしい。。あまりにもひどいとビザを更新してもらえないこともあるとか。。? 僕はまだホントに初歩的な会話しか出来ないから、そんな事されたらひとたまりもない。。
 
というわけで役所に行く前からビビりまくっていました。ところが蓋を開けてみると、、書類にサインして即手続き終了。
 
なんだよ、余裕じゃねーか!?
 
念のためドイツ人の同僚に同行してもらったんですが、何の助けも必要ありませんでした。
 
と、ここまでが、去年の11月の話。
 
んで、今週の月曜に出来上がったビザのカードを受け取って来ました。受け取りの時は一人で行きましたがやっぱり超楽勝、役所の担当者が親切に英語で対応してくれる始末。いやー、心配して損しましたね(笑)
 
あとから分かったのですが、今回ドイツ語のチェックがなかったのは僕のビザの種類と関係があるようです。というのも、僕のビザは普通のドイツの就労ビザと異なり”EUブルーカード”と呼ばれるものなのです。
 
EUブルーカードとは2012年から施行された比較的新しいビザで、”高度技能外国人材”向けに発行されるものです。つまり外国から呼び込めば自国にメリットをもたらす何らかの技術を持った人材に対するビザで、例えば数学者、科学者、エンジニア、建築家、医者等が対象となります。そしてそういった人材を呼び込むために、EUブルーカードの発給要件は通常の就労ビザより簡略化されている、というわけです。
 
僕はエンジニアなのでEUブルーカードの対象者なのですが、大変素晴らしいことにどうもEUブルーカードの発給要件にドイツ語のレベルは含まれていないらしい! 助かった! できれば更新前に知りたかった笑(前述の僕の知り合いはきっと通常のドイツの就労ビザの更新をしたんでしょう)
 
※ドイツの役所のホームページってめちゃめちゃ不親切で、ビザ更新のためにどんな書類や資格が必要なのか、ちゃんとした説明が書いてないんだよな💢 日本人の先輩達がWebに残してくれてる情報を調べてようやく大枠が分かってきた感じです。こんな時Webに日本語の情報があると、本当にありがたいです。。
 
EUブルーカードのメリットは他にもあり、
・ドイツだけでなく、EU全体で働ける
・無期限ビザへの切り替えも容易(語学、滞在年数の条件がゆるい)
 
前述の通りEUブルーカードの対象となる職種の多くは理系の職種なんですよね。最近はエンジニアは海外で職を見つけやすいということが結構知れ渡ってきた感じがしますが、ここヨーロッパでも例外ではないようです。
 
いや、ほんと今になって思いますが、理系の道を選んでおいて良かったです。。高校生の時は海外に住みたいとか思ってなかったので、理系を選んだのはただの偶然なんですけどね。。良く覚えてないけど確か「世界史の年号とか覚えられないから、数学でいいわ」みたいなふざけた理由で理系にしたはずです(笑) 
 
これからの時代住む場所を日本に限定する必要は全くないのだから、若い人は少なくとも以下のことを知っておいた方が良いと思います。
 
・特にやりたいことが見つからないなら、とりあえず大学には行ったほうがいい。大卒じゃないと就労ビザが降りない国は先進国にも多くあるので、後々後悔することになるかもしれない。
 
・国際学部みたいなとこに行くより、理系に行って専門性を高める方がよほど将来的には国際的であるという見方もできる(前述の通り)
 
・キャリアの最初から海外で働きたいなら、現地の大学に入り、卒業前にインターンシップで企業に潜り込みそこにそのまま就職、この流れが一番職を得やすい
 
※当たり前だけど、はっきりとやりたいことがある人はこんな話無視して自分の道を行けばいいんですよ。どんな分野に進んでも自分の腕と工夫次第で、フリーランスや起業家として海外に出る道は探せば見つけられるはずですので。