脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

語学学校

 早いものでドイツに来てもうすぐ2か月です。こちらの生活にも仕事にも少しずつ慣れてきました。ありがたいことに会社のサポートで今月からドイツ語教室に通わせてもらっています。家の近所のコミュニティカレッジで開催されている週に2回の4か月間のコースです。

 

コミュニティカレッジとは日本でいうところのカルチャーセンターのようなものです。語学だけでなく、コンピュータやビジネスを学ぶ職業訓練の講座や一般教養的な講座まで幅広く用意されています。このような非営利の教育機関が全国に数多く存在し、地域に根付いているのはドイツの良い点の一つですね。私のような移民がドイツ語を学ぼうとする場合、最初はコミュニティカレッジを紹介されることが多いようです。

 

私の在籍しているクラスは、世界中から人が集まっています。欧州各国からはもちろん、中東、アフリカ、南米からやってきた生徒までいて、まさに混沌としています。私はドイツ語はこれまで勉強したことがなかったので、レベルが一番下のクラスにいますがそれでも不思議なことに授業はドイツ語で進みます。ドイツ語の基礎をドイツ語で教えるという一見とても矛盾した状況です。ドイツ在住の知人から説明を受けて初めて知ったのですが、コミュニティカレッジでのドイツ語講座は大体どこでも英語ではなくドイツ語で行われているようで、これはもちろんドイツ語を聞くことに慣れさせるという狙いもあるのですが、多くの生徒はドイツ語を「聞く」「話す」ことは既に生活の中で覚えていることが理由らしいです。彼らは読み書きの習得だけを目的としてクラスに参加しており、私のように完全に知識ゼロの生徒の方がパーセンテージとしては低いため、授業もある程度ドイツ語が聞けることを前提としているのです。

 

ドイツに多くいるトルコ人が代表例ですが、移民の中には日本人と違って母国の経済状況や治安が悪いためにやむなくドイツに働きに出てきている人も多く、彼らはドイツでの生活が成立しなかったら帰る場所などなく、家族共々路頭に迷うことになってしまいます。そのため彼らは、仕事や日常生活の中で全身を耳にしてドイツ語を覚えていくらしいです。これはものすごいことです。なぜならそのような移民は多くの場合、母国に母国語で書かれたドイツ語の辞書や参考書は存在せず、理屈を独学で勉強することが非常に難しいというハンディキャップを背負っているからです。それでも彼らは流暢にドイツ語をしゃべっている。。。このことを知ってから、街中で見かける移民達(特に良く出くわすトルコ人)に尊敬の念を抱くようになりました。日本人は恵まれていますね、、母国語で書かれたありとあらゆる分野の参考書が手に入るというのは、国際的に見れば極めてまれです。実際周りのクラスメイトを見ても、母国語で書かれた辞書を持っているのは私を含む先進国から来た一部の人達だけのようです。もっとしっかり勉強しなくては、、という気になってきます。

 

とは言ってもドイツ語未経験の私にとって、授業についていくのが難しいことに変わりはありません。先生(もちろんドイツ人)が質問をし、生徒が答えるという形式で授業が進む場合が多いのですが、まず先生の質問が理解できない。さらに、私の日本語なまりの発音がよほど面白いのか、私が発言するたびにクラスメイトに笑われています(なぜか主にルーマニア人が良く笑う)。先の知人の奥さんがドイツ語講座を別のコミュニティカレッジで受講した経験があるようで、私と同じ問題に直面しストレスのせいか顔面神経痛のような症状が出たということでした(笑)

 

そんなわけで、日々ドイツ語習得に苦戦しています。そもそもドイツ語が生活で役立つようになるレベルって極めて高い。冷静に考えれば当たり前だけど、基本的な質問フレーズをドイツ語で覚えたとして、街中でそれを使うと、当然相手はドイツ語で返事をする。多くの場合手加減無しの本場のドイツ語を話し始めます。ということは、質問する側はそれを理解できるレベルでなくてはならない。完全ビギナーがここまで行くには相当の努力が必要でしょう。先の奥さんがその対応策として考えたのはドイツ語で質問をして、最後に「英語で答えてください」、と相手にお願いするというもの。これを実践してみると、相手のドイツ人は大変混乱するらしいです(笑)え、なんでドイツ語で聞いてきたのに英語で?って(笑)。さらに具合が悪いのは、話しかけたドイツ人が英語が話せなかった場合。こうなるともう、ただの嫌がらせですね(笑)結局その奥さんは十年以上ドイツで暮らしていますが、あいさつ程度の簡単な会話を除いてドイツ語は封印するのが一番という結論に達したようです。でもそれじゃせっかく勉強する意味がないと思うんだ(笑)。

(いやまあ、意味なくはないか、、、言葉は国の文化の一つだし、異文化体験のような感じで適当にドイツ語の勉強を楽しむのもありだとは思う。)

 

私はせっかくドイツ語を勉強するなら実用レベルに達するまでやってやろうという気で(少なくとも今は)います。英語もまだまだ勉強中だから大変だけど、気楽に気長にやるつもりです。正直自分がこんなに外国語習得にポジティブになる日が来るなんて想像もしてなかった。もう日本語しゃべれなくなりそう(笑)

 

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