脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

お湯出ないじゃねーか(駄)

 一昨日の夜10時頃、歯を磨いている時に水道から水しか出ないことに気づいた私は、人知れず怒りに打ち震えていました。風呂入れねーじゃねーか。4月に入り暖かくなってきたとはいえ、真水は流石に無理。いつも通り夜の一人オクトーバーフェスト(酒を飲みながらドイツ語を勉強する時間のこと)を終え、あとは風呂に入って寝ようかというところだったので、絶望感がすごかったです。

 ドイツのアパートでは大体どこでも、共用部にある大きなヒーターを湯沸かしシステムの熱源としているようです。それが故障したのであれば同じアパートに住む他の住民も皆お湯が使えないはずなので、誰かが大家さんに連絡することを期待し、私はおとなしく寝ることにしました。というのも私は先月も大家さんと少々揉めていたので、もう話をしたくなかったのです(笑)

 今年2月にキッチンの換気扇が壊れていることに気づいて(入居した時から既に壊れていたのだけれど、それに気付くまで一年半を要した)、大家さんに修理をお願いしたところ、オッケーと返事が来たのにも関わらずその後ずっと放置され、何度も催促したおかげで険悪な空気までが流れ始め、先月ようやく業者を手配してくれたのはいいのですが、絶妙のタイミングでコロナパンデミックが始まり自宅訪問日程の目途立たず。というわけで現在また振り出しに戻りました。おかげで私は今換気扇なしで自炊しています。匂いが強いのは作れないので、私の貧弱な料理レパートリーではほぼ毎日野菜炒めか野菜鍋(野菜を切ってお湯に入れるだけの料理)を作ることになってしまいます。

 というわけで朝起きたらお湯が出るようになっていることをかすかに期待して寝たのですが、翌朝に試してみるとやっぱり水しか出ない。それが朝の7時くらいで、普段はもう起きてる時間なのですが、1日半以上風呂に入ってない状態で今日を生きられる訳ないだろと思い、またふて寝したため昨日は合計で12時間くらい眠ることができました(笑)

 で、結局11時くらいに起きたのですが、なんでかというと取引先から仕事の電話が来たからです。寝ぼけているところにいきなり英語でプロジェクトの詳細に関する話が始まったので頭が非常に混乱しました。それでもなんとかその場をしのぎ、そして電話を切った後内容を頭の中で整理してみた結果、私はまたしても怒りにうち震えることになりました。というのはその電話での問い合わせ内容はどう考えても私の仕事と無関係だったからです。担当の奴は何やってるんだ?

 思えば先月末あたりから私に対するこのような取引先からの無茶振りが度々あります。今はコロナ騒ぎの影響で会社のオペレーションを縮小せざるを得なくなっており、社員は皆時短勤務になっています。そのため会社から勤務日として前もって指定された日以外は、平日でも強制的に休暇をとることになっているのですが(もちろん給料も下がります泣)、それをいいことに他の同僚達はどうも取引先と協議中だったトピックもそのまま放置してくれているようなのです。

 業界の都合上、うちの会社の商品に搭載されるキーデバイスの多くは日系メーカーから供給されています。前述の電話も日系メーカーのドイツ支社からのものだったのですが、形式上全日系メーカーとの技術交渉窓口となっている私のところに(私が直接絡んでいない内容であっても)同僚により放置されたトピックに関する問い合わせが回ってきている状態になっているようです。

 私の経験上、日系企業での常識としては普通、担当者は短縮勤務等いかなる事情があったとしても、取引先とのビジネスに影響が生じないよう主体的な配慮をするのが当然です。緊急の案件があればメールの処理くらいは勤務外の状況であろうと会社の目を盗んでやっているものです。でもドイツ(広く欧州)では全く異なり、会社が休暇と決めたのであればそれが絶対で、もし業務をストップしたことによってビジネスに影響が出ればそれはマネジメントの責任ということになります。この辺はまさに欧州的というか、資本家を打ち倒してきた歴史を持つ民族の考え方が如実に出て来ます。(もちろんこれは傾向の話で、この辺の配慮をちゃんとするドイツ人もいますよ)

 でもそんな事取引先からしたら関係ないし、特に日系パートナーからするといきなり議論がストップした時は、どういうことなのか訳が分からないのです。その結果、日独間の交渉における文化ギャップを埋めるべく雇われている(と思われている)私のもとに、「誰々さんに連絡がとれないのですが~」という問い合わせが舞い込み、私はサンドイッチ状態の中1人苦しむことになります(泣) ※実際には私はいち開発者であり、取引先への窓口業務はメインの職責ではありません

 しょうがないから、電話の内容を伝えるため社内の関係者に急いでメールを打ってみたところ、案の定ccに入れていた野次馬のような輩から「今日は勤務日なのですか?」というメールが来ました。だから、、ちげーよ(笑)

※ちなみにお湯の件は予想通り誰かが大家さんに連絡してくれていたようで、昨日の夕方くらいからぬるーいお湯が出始め、約2日ぶりに風呂に入ることができました。いやー本当に良かった。