脱力系ぷかぷかドイツ日記

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映画)フレディ・マーキュリー:キング・オブ・クイーン__ジョーダン・ヒル__2018

 

 イギリスのロックバンド「クイーン」のドキュメンタリー。ボーカルのフレディ・マーキュリーの生涯――ザンジバルで生まれ、HIV合併症で45歳の若さで亡くなるまで――をライブ映像と彼をよく知る人々へのインタビューを交えて振り返る。

 

 フレディ・マーキュリーといえばロックでワイルドなイメージだったが(僕には)、実は内気で繊細な彼の性格がよく分かる。

 
 印象的なのは、彼がバイセクシュアルであることをカミングアウトできずに思い詰めていたというエピソード。結局彼の性的指向はHIV感染を招いてしまう結果となるのだが、自身の病についてもバンドのメンバーにすら死の直前まで明かすことはなかった。本作では、性的マイノリティが70年代の音楽シーンでどのようにとらえられていたか、またHIV感染が深刻な社会問題となっていた当時の囲気を感じることができる。
 
 LGBTについて良く語られる昨今だが、その実際のとらえられ方は国や世代によって未だに大きな差があるように感じる。聞いたところによると例えばオランダではカミングアウトを受けたとき、"眉ひとつ動かさない"ことが紳士・淑女の態度だとされているらしい。まさにリベラルの誇りといった感じで、本当に素晴らしいと思う。