先週末(11/28 土)にヘッセン州ヴェッツラー(Wetzlar)を散歩してきた。ヴェッツラーは古くから光学を中心とした工業都市として発展した経緯があり、有名な電子機器メーカーのオフィスが目に付く。エンジニアもたくさんいるのだろう。ヴェッツラーは特にカメラメーカー「ライカ」の発祥の地として知られている。
ライカの原点はヴェッツラーのエルンスト・ライツ光学研究所(現ライカマイクロシステムズ)である。もともとは顕微鏡を扱う会社だったのだが、そこで働いていた機械工オスカー・バルナックが、業務外で35mm映画用フィルムを用いた小型カメラを試作したことが始まりだった。1914年の話である。病弱だったオスカーは趣味の写真撮影を楽しむため、軽く持ち運びの容易なカメラを自身で構想したのだった。その後社長であるエルンスト・ライツ2世により会社の商品として量産する決定が下され、ライツ(Leitz)+カメラ(Camera)=ライカ(Leica)として世界中に広まることになったのだ。
オスカー・バルナックは工場で働く機械工であり精密なレンズ設計を行うことはできなかったため、同僚のマックス・ベレーク博士に協力を依頼したという逸話がある。優秀な設計者であったマックスは高度な数学と光学の知識を駆使して、レンズを設計した。ライカについて語るときオスカーにばかりスポットが当たるがマックスも重要な立役者なのである。(アップルのジョブズとウォズニアックの関係にどこか似てるな。。)
ヴェッツラーにはそんなライカゆかりのスポットがたくさんある。歴史の原点であるライカマイクロシステムズ社のオフィスやオスカーが試作機で撮影をした場所。また事前のリサーチが足りず気が付かなかったが、上記キーパーソンの記念碑等々、他にもいろいろあるみたいだ。
大戦中に爆撃を免れた旧市街には数百年以上前に建てられた木組みの家がまだ残っていて、ただ歩いているだけで楽しい。夜になって人がいなくなった旧市街は静か(というか全くの無音)で、自分の靴音が反響してコツコツとやけに大きく聞こえるのが印象的だった。