脱力系ぷかぷかドイツ日記

省エネぬくぬくドイツ暮らし

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

丸ごと一冊「半導体」 (週刊ダイヤモンド 2024年2/24号)

 

週刊ダイヤモンド創刊5000号記念とのことで、昨今話題に上ることの多い「半導体」の特集。半導体専攻の僕が読んでも、結構勉強になりました。

 

以下、ざっくばらんな感想。

 

・ラピダスについてのインタビューで、「最初から2nmの超最先端プロセスに挑むラピダスの姿勢は合理的だ」とする意見がありました。これはなかなか面白い考え方ですね。つまり、5ナノや7ナノ等のもっと長いプロセスノードになると一気にライバルが増えるのでそこを飛び越えて、いきなり2ナノを狙えばそこはブルーオーシャンでコスト競争をせずにすむ、ということらしい。

 

ふーむ、先端プロセスでは遅れをとっている日本にそんなことできるんだろうか?ぶっちゃげ半信半疑の僕ですが、46歳で東京エレクトロンの社長になった伝説の男、東哲郎氏がラピダス会長を務めているのはなんか期待してしまうな~(笑) 東氏曰く、「とても優秀な人材がラピダスに集まってきている」とのこと。今後どういうことがおきるのか楽しみですね。

 

・ベストセラーの本『半導体戦争』(クリス・ミラー著)の要約部は特に面白かったですね。(時間がある人は原書を読むと尚良いと思います)

識者へのインタビューでは台湾TSMC工場への中国の軍事進攻はあり得るといっている人と、あり得ないと言っている人がいますね。これについては誰が正しいことを言ってるのか僕にはさっぱり分かりません。でも「まさか」と思うことが起こる時代なので、絶対無いとは言い切れないのではないか?

 

ちなみにもし台湾のTSMC工場が爆撃された場合、世界の計算能力が37パーセント減少するというデータも載ってました。今の半導体サプライチェーンの脆さ、危うさを示していますね。

カメラ業界で働いている僕自身、半導体を調達できることは奇跡的なことだと日々感じています。コロナパンデミックの時なんて、全メーカーが一時的にカメラを生産できなくなりましたからね。。。台湾有事が現実化したらもうあんなレベルじゃ済まないと思う。

 

・何故アメリカ政府が必死になってファーウェイを潰そうとしたのかも分かりやすくまとまってます。というのはつまりファーウェイが5G通信の基盤技術を牛耳っていたことが軍事利用されたらアメリカにとって脅威になるということだったんですが、輸出規制でボロクソにやられまくって一度は地に堕ちたファーウェイ、今はどうなってる?

 

どうやら中国スマホ市場で猛烈にシェアを巻き返しているらしいじゃないか。。。!しかも(おそらく)自社開発したチップを使っている。

 

僕はこの状況、ファーウェイさすがだなと思って見てます。「基本的な技術力がある会社はたとえどんな時代の荒波に一時的に飲み込まれても、最終的には勝ち残る」ということなんだろうと思います。