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映画)HAPPYEND_監督 空音央_2024

HAPPYEND

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  • 栗原颯人
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Xで流れてきた予告編を見てから、気になっていたこの映画。ようやく観ました。本当に素晴らしかった! ここ最近映画で感動できなくなってきていて悲しかったのですが、この映画は久々に心震えた!

 

感想を一言で言えば「怖い」。なんだろう、このつかみどころのない感じ。最初から最後までとにかく怖かった。出てくる高校生達も。(別にサスペンスでもホラーでもなく、青春ドラマなのですが。)

それでいて新しい! 今までに観たことのない映像だった。「これは映画の新時代だ!」と最初の10分くらいですぐ分かった。この新しさが、得体の知れない感じがして怖かったのかもしれない。

 

空 音央(そら ねお)監督、スゲーな、、この人。坂本龍一の息子で日本とアメリカ行き来しながら育ったらしいけど、この人日本映画界に新風を巻き起こすかもしれないね。

 

舞台は近未来の日本ということで、外国人差別、デモ、東京大地震と今よりもさらに息の詰まるような日常がすさまじいリアリティで描かれています。。高校のクラスに多様な国籍の学生が混じっているのを見ると、一瞬ギョっとするけれど近い将来マジでああなるんだろうな。

 

学校内のAI監視システムはちょっと行きすぎな気もするけど、、それを覗けば今の日本の延長線上に十分に起こりえることだと思いました。

 

こんな不穏な日常の中で、在日韓国人のコウは国の現状に危機意識を持ちデモに参加し始めます。一方で親友のユウタは音楽のことばかり考えている。コウはユウタの能天気さに苛立ちを募らせるわけですが、、、

この政治観の目覚めとそれによる周囲との摩擦が本作の大きなテーマなのですが、この描写もリアルでしたね。というのも、このコウみたいな学生は今後当然増えるでしょうし。大人たちが作ったシステムに従順に従ったって良い未来が待っていないことは流石にどんなバカだってもう分かるわけで。学生が作るデモグループも増えてくるんじゃないでしょうか。もしくは賢い学生たちは海外に出ていく準備を始めるでしょう。

 

ラストも絶妙でした。権力と闘うコウは自分が絶対に正しいと信じていたわけですが、実は(保身のための)嘘や矛盾を自身が併せ持っていることにユウタとの関わり合いの中で気が付いていくわけです。本当に見事な脚本。