脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

サイレント夏休み

 今月前半は夏休みをとって、地味に一人で引っ越し作業をしていた。例年ドイツの夏は涼しくて朝晩は半袖だと寒いくらいの日もあるのだけれど、今年の夏はすごく暑くて最高37℃まで上がった。そんな中の作業だったから結構しんどかったが、ようやく新生活に必要なものも揃い新居も大分形になってきたところである。しかしどうにもすっきりしないのが、既に空になっている前のアパートの部屋の鍵を未だに持っていることだ。退去時の立会い確認と鍵の返却のアポをとるためにオーナーに何度も打診しているのだが、もう2週間以上応答がない。。ものすごい剣幕で「You must leave immediately (すぐに出ていけ)」とのことだったから、最速のスケジュールで退去したのに、その後はシカトときた(笑) ドイツの法律上、オーナーがスペアキーで入室することは不可能なはずだから、僕が住んでいたあの部屋は次の入居者も決まらないまま、宙ぶらりんになっていると思う。それで損するのはオーナー自身のはずだが、、本当に意味不明。。でもこういうのにもそろそろ慣れてきたな。やっぱり国民性の違いもあってか、手続き関連は全てがゆっくりしている。気長に待っていれば、そのうち連絡が来るのだろう。とまあ、そんな感じでほとんど誰と口をきくこともなく黙々と作業をして2週間の夏休みは終わった。コロナでどうせ旅行には行けないから丁度良いタイミングだったのかも。

 そして今週から職場に復帰しているがこっちも相当のカオスで、今自分がかかわっている全てのプロジェクトが消滅の危機と共にかろうじて走っている(笑) 無論苦しいのはうちの会社だけではなく、もともと市場自体が縮小傾向なのに加えて、昨今の貿易制限とコロナによる買い控えが効いて、各社かなり追い込まれているようだ。ついこの間も日系のビッグネームが撤退を表明し業界に衝撃が走った。もしかしたらこれはまだ始まりに過ぎず、今後数年の間に続々と撤退のニュースが舞い込むことになるのかもしれない。そしてポイントは、現代におけるほとんどのITデバイスは複数のメーカーが協業することによって成り立っていることだ。うちの商品も例外ではなく、もし協業パートナーが撤退の判断をしたら、関係するプロジェクトは基本的にドロップする。各メーカーが何十年もの時間をかけて築いてきた協業関係がこの未曾有の局面で一気に崩壊し、業界再編が起きるかもしれない。今の状況はまさに一寸先は闇、という感じだ。

 でもこんな未来予測をして憂いてみたって、結局今後何が起きるのか誰にも分からないのだから、普段通り一歩一歩商品力を上げていくことが今は大事なのだろう。チームメンバーが皆、楽観的というかあっけらかんとした人ばかりなのは救いだ。誰も後ろ向きなことは言わず淡々と仕事をしている。この状況を乗り越えて、予定通り商品が開発され世に出ていくとしたら、、それは結構すごいことだ。

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