脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

映画)お嬢さん__パク・チャヌク__2016

 

 

 韓国発エロティックサイコスリラー(←ジャンル名はWikipediaにならいました笑)。この映画はっきり言って滅多に出会わないレベルの怪作です。大変素晴らしい!
 
 舞台は1939年、日本統治下の朝鮮。孤児として生まれスラムで育った少女が詐欺師の手先として、日本人の富豪の屋敷にやってくる。もともとの目的は、メイドとして働きながら屋敷に住む令嬢を詐欺師と結婚するように仕向け、莫大な財産を手に入れることだったのだが。。
 
 イギリス人作家サラ・ウォーターズの『荊の城(いばらのしろ)』という小説が原作らしいです。僕は読んだことないですが、サラ・ウォーターズって日本でも人気があるみたいですね。確かに何度も大どんでん返しがあって面白いストーリーでしたし、日本のミステリーファンに受けるのもわかる気がします。
 
※原作では舞台はイギリスらしいです。それを韓国で映画化するときに、映画スタッフが朝鮮の話に書き換えたとの事。まあ、そりゃーそうですよね。(僕は一瞬「イギリス人が日本統治下の朝鮮についての小説を書いたのか?」と思いましたが。。)
 
 令嬢は小さいときから屋敷に閉じ込められ、叔父に半ば脅されながら日本語の朗読の練習をさせられ、大人になっても日本人の男性客を相手に官能小説を朗読する生活を強いられています。。その結果、「生まれてきたのが間違いだった」と言って首を吊ろうとするわけですが。。こんな生活じゃ死にたくなるのも当たり前だよな。。当時の金持ちの日本人の間では、こんな狂気じみた遊びが普通に行われていたんだろうか。。
 
 この映画が当時の実際の状況にどのくらい沿ったものなのかは良くわかりませんでしたが、タイムスリップしたような生々しい時代の空気感と最先端の映像美がものすごいギャップで、、新しかったです。
 
 僕の主観的な感覚でいうと韓国映画は今や世界のトップレベルのエンターテイメントに成長しましたね。日本映画なんて周回遅れで負けてますよ。。学生時代にこれでもかって位邦画を観て育った人間なので、本当はこんなこと言いたくないけどね。。
 
 韓国映画は大分人気が出てきた感はありますが、まだ馴染みのない方はこの『お嬢さん』是非観てみてほしいですね。レベルの違いが分かると思います。
※あ、2時間半位ある長い映画なのでそこんとこご注意ください