是枝監督の作品であること以外何も知らずに観たんですが、これは傑作でしたね。深い。この映画、カンヌで脚本賞もらってるんですね。
現代社会の不寛容さ、つかみどころのなさが上手く描かれている。最近僕も周りの人間が何を考えているか分からないと思うことが多いので笑、ものすごく共感してしまった。
人間臭い人間が、一人ひとり消えていく。日に日にそんな社会になっていってるような気がします。海外に住んでいようが関係ないですね。後ろ指を指されないように皆が気を張り詰めているのはどこに住んでいても同じみたいです。
この映画を観て、日頃自分が感じていることを客観的に見直せたような気分になりました。
ちょっとネタバレになったらすいませんが、この映画の斬新な点を一言でいうと、
「皆悪い人に見えて、実は皆良い人」という設定です。その逆の映画なら何度も観たことがありますが。
『怪物』の登場人物たちは、それぞれの立場で自分の大事なものを守ろうとしているだけです。じゃーなぜ、こんな最悪な事になるのか? ここを考えていくと、、、いやー深い!別に考えたところで答えは出ないんですが、、
それにしてもラストの子供達が草原を駆け抜けるシーンは良かった!坂本龍一の音楽も素晴らしいです。