とある中国ベンダーと長い間協議してきた半導体プロジェクトが今ようやくテープアウトを迎えようとしています。ここまで来るのに構想段階も含めると約2年かかりました。そしてこれから試作が始まり、量産に入るまでまた数年かかるわけです。カスタム半導体の開発というのはとても時間がかかるんです。
今社内はテープアウトを迎えるに当たっててんやわんやです。仕様・設計にミスはないか?試作を始める準備は整っているか?予算の管理はどうなっている?わーわーわーわー....
そんな中プロジェクトマネージャーが出社してこなくなりました。病欠ということらしく、今週で3週間続けて休んでいることになります。そして来週も出社してくるかどうかわかりません。
「3週間も休む病気って一体何なんだ?」と思いましたが、どうやら誰も詳しいことは知らないようです。
※ドイツでは病欠時、会社に病名を知らせる義務はありません
そのようなわけでここのところプロジェクトマネージャー不在のミーティングが続いています。テープアウト直前の大事な時期なので皆かなり困っています。
「アイツは来週には戻ってくるよな?」と誰かが言いました。
代理のマネージャーは「わからない。病状は誰も知らない」と力なく答えます。
すると横から別の社員がこう言ったのです。
「テープアウトが終わったら、病気は治るさ」
皆笑いました。もう堪えられないという風に。皆、喉元まで出かかって言わなかったんだろうな(笑)
テープアウトの時期、一番大変なのはやっぱりプロジェクトマネージャーです。試作フェーズに移行するために、トップマネージャーに承認を受けないといけませんから。
プロジェクトマネージャーがプロジェクトの状況をまとめてトップマネージャーにインプットするのですが、その際厳しい指摘を受けることも当然あります。特に今回のような問題の多いプロジェクトだとなおさら。トップマネージャーというのは理想を語りますからね。プロジェクトマネージャーは現場とトップの板挟みの中でもがき苦しむのです。(中間管理職あるあるですね)
いや別にプロジェクトマネージャーが仮病を使っているかどうか本当の所は分かりませんよ?(笑)
本当に病気だったら超失礼な話ですね(笑)
でもこの前のミーティングの雰囲気だと、ドイツ人も仮病を使う人は使ってるんだろうなあとは思いました。少なくとも仮病という概念はあるみたい。
ドイツ人って結構そういうとこ真面目なイメージだったけど。
周りが仮病使ってるんだったら俺も使わんといかんよなぁ。。(笑)
※ちなみにドイツでは3日以上病欠する時は、就労不能証明書を医者に発行してもらい、会社に提出しないといけません。
でもどうやらこの証明書、医者によっては超簡単に出してくれるらしいんです。
こういう優しいお医者さんをいかに見つけるかがポイントな気がしてます(笑)
参考) 風邪で休んでも有給休暇は減りません!ドイツの会社の病欠事情 | ドイツ大使館 − Young Germany Japan