脱力系ぷかぷかドイツ日記

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映画)家族を想うとき__ケン・ローチ__2019

longride.jp

 『わたしは、ダニエル・ブレイク』が良かったので、ケン・ローチ監督の最新作も続けて見てみました。『家族を想うとき』は2019年のイギリス映画です。
 
 宅配ドライバーである主人公は週6日、1日14時間の過酷な労働を強いられる。仕事のせいで家族との時間が奪われ、徐々に家族の歯車が狂っていく、という話。
 
 主人公は個人事業主として宅配事業者と契約していますが(いわゆるフランチャイズ)、この契約は自由なように見えて実際には最低労働時間が保証されない不安定なもの。このような契約は”ゼロ時間契約”と呼ばれ、今世界中で社会問題になっているらしいです。宅配だけでなく、タクシーのUberや日本のコンビニ等様々な業界で広がっています。事業者としては、社員を雇う場合に比べ福利厚生を含む様々な責任を回避できるので楽だからです。
 
 主人公は宅配用の車も自分で購入しなければならず、社員じゃないので保険もなし、仕事を休んだら罰金、という厳しい状況の中でただひたすらに働き続けます。しかし、働いても働いても借金が増えていきます。。
 
 こんな生活をしている人が今世界中にたくさんいると思うと、かなり衝撃でした。。人間を単なる道具としてしか見ない現代の狂った社会が描かれています。