脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

変わりゆく自分と今の率直な気持ち

 先月引っ越したばかりで家にまだ洗濯機がなかった頃、初めてコインランドリーに行ってみたのだけれど、案の定表記がドイツ語で使い方が分からなかった。そこですかさず洗濯が終わるのを待っている人のところに行って「英語は話せますか?使い方を教えてくれませんか?」と訊いた。こういう時に少しずつ性格が変わりつつある自分に気がつく。以前の自分ならきっとそんなことはしない。こういう局面では引っ込み思案になるタイプだから。
 
 この変化の理由として英語が上達してきたのもあるけど、ドイツではこういうインタラクションはごく自然な事だと分かってきたのが大きい。外を歩いていると「駅はどっちですか」とかよく訊かれるし、カフェで隣に座った人と会話が始まることもある。とにかくインタラクションが多い。パン屋でパンを選んでいるときに、はしごに登って何やら作業中の店員に「これ、そこのゴミ箱に捨てて」とゴミを渡されたこともある。(僕がゴミ箱の横に立っていたから。) 捨てたは捨てたけど、一瞬「はっ!?」と固まった(笑) もし日本で客にそんなことをさせたらクビになるよ(笑) つまり、ここでは皆がオープンに関係しあって生きているのだ。良く言えば助け合っているし、悪く言えば迷惑を掛け合っている。
 
 その日僕が話しかけたのはシリア人で、快くランドリーマシンの使い方を教えてくれた。僕は洗剤を持っていなかったが、彼のを分けてくれた。洗濯が終わるまで2人でいろいろな話をした。レバノンの爆発事故の事やドイツ語の勉強方法について、この町にあるおすすめレストラン、等々。彼は僕とほぼ同世代で、母国に家族を残して単身出稼ぎに来ているようだった。彼は日本人と初めて話したらしく、僕のパスポートを羨ましがった。シリアのパスポートでは一部主要国に入れないからだ。パスポートを見せてやると、感心したようにしげしげと眺めていた。お礼をしないといけないのは僕の方なのに彼は缶ジュースまでおごってくれた。その日はとても暑かったので、一気に飲んでしまった。(知らない人にパスポートを見せたり、もらったジュースを飲んだりとかは本当はしない方がいいのだけれど、この日は例外)。洗濯が終わったら飯に行こうと誘われたのだが、予定があって行けなかったのが残念だ。
 
 ドイツに来て2年、度々このような親切に助けられてきた。特にアジアや中東からの移民は本当に良くしてくれる。縦列駐車で手こずっているとき、通りに面した店から走って出てきて駐車を代わってくれたトルコ人もいた。苦労を味わっている移民同士の絆のようなものも少しあるのかもしれない。今となっては僕自身もここでサバイバルしている全ての移民をリスペクトしているところがある。いくらドイツが寛容な国と言ったって、社会情勢が悪化すれば直ちに移民にしわ寄せが行く厳しい側面もあるのだから。その上言葉の問題もあるのにこの人達は皆よくやっているなぁと思う。
 
 
 ところで、前のアパートの鍵の引き渡しも完了してようやく強制退去事件は一件落着となった。最終的にはオーナーにきちんと挨拶(謝罪)をして、後腐れなく終わった。
 
 今年の夏もたくさんのビールを飲んだ。自分の体をあちこち触るとなんとなく柔らかいというか、気持ちいいというか、「ああ、この辺はビールなんだな」と思う(やばい)

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