脱力系ぷかぷかドイツ日記

脱力系ぷかぷかドイツ雑記帳

ヘッセン州の田舎町でデジカメの開発してます

外資系勤めあるある 前を向いてボールを持つ社員が評価される

先月の話ですが年始早々冷や汗をかく出来事がありました。

 

事の発端は、今関わっている半導体開発プロジェクトの中で僕にアサインされている業務の一部が他部署の業務範囲を侵害している、と上司に指摘されたことでした。僕は画質チームにいるにも関わらず品質保証チームの仕事までアサインされていたのです。うん、まあ、良くあるとは言わないけどあるよね(笑) ここまではマネージャー同士の意志の疎通がうまくいってなかっただけのことで、僕の責任を問われることはありませんでした。

 

画質チームの僕の上司は既にその件について品質保証チームに伝えておいたということだったので、僕は業務の報告をすることになっていたプロジェクトのミーティングの招待を辞退しました。

「聞いていると思うけど、品質保証チームが今後はこの仕事を引き受けるから私はこのミーティング辞退しますね」と、一言だけ添えて。

 

その結果、何が起こったか?

 

プロジェクトリーダーからかなりブチ切れた感じの語調で「あなたは自分の状況を早急にプロジェクトメンバーに報告する必要があります」とメールが来ました。しかも、――相当頭にきたのでしょう―― 敢えて関係者をCCに入れている。まさに公開つるし上げ(笑) ウクライナ人のもともと厳しい人ですが、ここまであからさまに人を非難するメールは初めて見ました。。正直あれはビビった。。。(笑)

 

その後僕は資料を用意して、各チームの職責範囲と今後の進め方についてプロジェクトメンバーに説明をしました。するとプロジェクトリーダーはとても安心した様子で「きちんと説明してくれてありがとう」と言ってくれました。

 

はい、今回の件の教訓は何だったか?

一言で言えば、一度ボールを持ったら責任を全うしようとする姿勢が大事ということです。僕としては組織の決定に基づき正しく振舞ったつもりだったのですが、周りから見たら途中で仕事を放棄したように見えたのでしょう。この辺りは要反省。

 

逆に言えばその後の僕のプロジェクトメンバーへの説明は、(品質保証チームの職責について僕が良く理解していないために)穴だらけの危ういプレゼンだったのですが、誰もそのことを非難したりはしませんでした。それどころか逆に評価してくれたのは、プロジェクトを遂行するためのポジティブな姿勢を見せたからでしょう。今回の件、凄く勉強になりましたね。

 

ついでにもう一つ印象的だったエピソードを紹介しときます。

同僚のドイツ人エンジニアの話ですが、彼が画質チームを代表してトップマネジメントにプロジェクトの進捗報告をした時のこと。開発進捗を報告したあと、研究畑出身の彼は学会発表時の癖で、プロジェクトの課題・リスクを最後のページで説明し、プレゼンを終えました。

 

するとマネージャー(ドイツ人)は開口一番「最後にリスクを述べてプレゼンを終えるのは良くない」と指摘しました。最後に来るべきはリスクではなく今後の道筋、平たく言えばプロジェクトが上手くいくという”希望”についての話であるべきだ、というのです。

 

つまりマネージャーの指摘はここでも「前を向いてボールを持ってほしい」ということなんです。最後にリスクを述べて解決策に触れずにプレゼンを終えるのは無責任だ、と。

 

実は他の外資系勤めの知り合いからもプレゼンについて上記と同じ指摘を受けたという話を聞いたことがあるので、欧米圏の文化なのだろうと思いますね。

日本企業ではリスクを最後に述べるプレゼンなんていくらでもやってるじゃないですか?この辺りの感覚は全然違いますねぇ、、

 

今の会社に入社して6年目になりますが、僕の体感としても社内にはポジティブな人が多い気がします。正確に言えば皆がポジティブな性格な訳ではなくて、仕事中はポジティブな話し方をする、という意味です。リーダークラスの重要ポジションについている社員は特にそうですね。

 

例えば難しい仕事と直面した時は、すぐにできない理由を並べるのではなく、

「試行錯誤してみるので時間をください。2週間後にレポートします。適切なフィードバックがあれば今後の方針を立てられるかもしれない。」とか。

 

忙しいときに仕事をアサインされそうになったら、すぐに断るのではなく、

「今は時間がなくてその仕事に取り掛かれないが、1か月後に手が空くのでそこからで良ければ喜んで引き受けるよ」とか。

 

検討が上手くいかなかった時でも、悲観的なコメントはせず、

「今回の結果を踏まえて修正すれば、次は上手くいくと思う」みたいな感じ。

 

何も100%の自信や確信がなくてもいいんです。とにかくポジティブに前を向いてボールを持つこと。チームに貢献しようとする姿勢を見せること。こういう人が周りから信頼されてます。

僕も今後は気をつけたいですね。

 

 

外資系で働きたい方の参考になれば幸いです↓

daturyoku-pukapuka32.hatenablog.com

 

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映画)怪物_監督 是枝裕和_2023

 

怪物

怪物

  • 安藤サクラ
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是枝監督の作品であること以外何も知らずに観たんですが、これは傑作でしたね。深い。この映画、カンヌで脚本賞もらってるんですね。

 

現代社会の不寛容さ、つかみどころのなさが上手く描かれている。最近僕も周りの人間が何を考えているか分からないと思うことが多いので笑、ものすごく共感してしまった。

 

人間臭い人間が、一人ひとり消えていく。日に日にそんな社会になっていってるような気がします。海外に住んでいようが関係ないですね。後ろ指を指されないように皆が気を張り詰めているのはどこに住んでいても同じみたいです。

この映画を観て、日頃自分が感じていることを客観的に見直せたような気分になりました。

 

ちょっとネタバレになったらすいませんが、この映画の斬新な点を一言でいうと、

「皆悪い人に見えて、実は皆良い人」という設定です。その逆の映画なら何度も観たことがありますが。

『怪物』の登場人物たちは、それぞれの立場で自分の大事なものを守ろうとしているだけです。じゃーなぜ、こんな最悪な事になるのか? ここを考えていくと、、、いやー深い!別に考えたところで答えは出ないんですが、、

 

それにしてもラストの子供達が草原を駆け抜けるシーンは良かった!坂本龍一の音楽も素晴らしいです。

映画)Winny_監督 松本優作_2023

 

Winny

Winny

  • 東出昌大
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この映画を見ても結局警察や検察がなぜあんなにムキになって、金子勇を有罪にしようとしていたのか良く分かりませんでしたね(笑) Winnyを介して警察の機密事項が外に漏れたとかそういうことが伏線としてあったようだけど、それだけでシステム開発者を逮捕しようって話になるのかなぁ。。??

 

金子勇を悪人に仕立てた当時の国の対応は未だに「出る杭を打って天才をつぶす国」だとか「新規性の高いものや良く分からないものはとりあえずつぶす国」だとか批判されるわけだけれど、本当にそれだけの理由なの?っていうのは、いまだに謎。

 

映画の中では、金子勇の人間性にスポットが当たっていて、

・彼は優秀なエンジニアで

・善良な人間で

・世の中を攪乱するためにWinnyを開発したのではない

ということを繰り返し主張している印象でした。

まあ、多分ここは映画の通りなんでしょう。2ちゃんねる上でWinnyの登場を待ち望む声が高まっていたから、後先考えずにひょいっと作っちゃったんでしょうね。。天才ってそういうものかもしれません。

 

あと良く言われるのが「YouTubeだって違法アップロードによる著作権侵害は起きているじゃないか。それを許容したアメリカに比べてWinnyをつぶした日本は不寛容だ」ということですが、僕が思うに、(日本が不寛容であるというのは真実だったとしても)ファイル共有ソフトによる著作権侵害が問題になっている時代の最中にWinnyが登場したことにより、実際にその問題がさらに大きくなってしまったってところがWinny事件のミソだったんですよ。WinnyとYouTubeは、その利便性と危険性のどちらに目を向けさせるのか、そこのセンスに違いがあったのでは?と思いました。

 

※なんのリサーチもせずに、直観&即興で書いているだけので、間違ったことを書いていたらすみません。

ゲーム) バイオRE4の俺的名シーン&萌えシーンまとめてみた

2023年ももう終わりですか。。早いですね

 

今年何をしていたのかは既にあまり思い出せないですが笑、一つ確かに覚えていることはつい最近まで『バイオハザードRE:4』をプレイしてました。仕事も結構忙しかったはずなんですが寸暇を惜しんで(?)、割とやりこみましたね。結局半年ぐらいやってたのかな??

 

このゲーム、今改めて振り返ってみると最強に面白かったですね。

バイオハザードシリーズの大半を長きに渡ってプレイしてきた僕ですが、『バイオRE4』はバイオ史上最高傑作と言って差し支えないかと思います。原作のバイオ4自体もめちゃめちゃ好きでしたが、今回のリメイク版がグラフィック含めあらゆる部分で原作を上回っていると感じました。

 

というわけで、せっかくなので名シーン&萌えシーンを短い動画にまとめてみました↓ かなり偏りがあると思いますが、ちゃんとした動画は他のユーチューバーの方々にお任せするということで(笑)

 

2024年はプログラミングの勉強をしようと思っているので、ゲームをする時間はきっとないだろうなぁ〜!

 

では皆様、良いお年を!

 

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本)神聖ライカ帝国の秘密 王者たるカメラ100年の系譜_竹田 正一郎, 森 亮資_2015

 

 

著者のものすごい知識量と取材力に脱帽の一冊。カメラの技術的な話だけでなく、20世紀の光学産業の歴史を知るうえでも非常に良い本です。

 

一つ注意点はバルナックライカと初期M型ライカ、つまりフィルムカメラの話がメインです。デジタルライカのことももっと出てくるのかと思ってましたが、そこは残念。

 

とはいえ、一眼を使っている人なら(必ずしもフィルムカメラを使ったことがなくても)楽しい内容だと思います。

以下のことが良く分かります。

 

・ライカが単なるカメラではなくファッションアイテムになった背景

・戦争でどのようにライカが使われたのか

・ライカとコンタックスの激闘の歴史(←ここまじくそ面白い)

・ライカが日本のカメラに与えた影響 

 

この本を読んで面白いと思ったのが、ライカの生みの親であるオスカー・バルナックが学位を持った技術者ではなく、言ってしまえば単なる”職人”だったという点。バルナックだけでなく、「ハンザ・キヤノン」でカメラ大国日本の最初の一歩を踏み出した吉田五郎も同じく職人で、二人は共通して図面すら引けなかったとのこと。

 

さらにソニーのミラーレスユーザーならおなじみツァイス”ゾナー”レンズを設計した天才ルートビッヒ・ベルテレも学歴がなく、当時ゾナーは他の追随を許さない怪物のような光学性能を誇ったにもかかわらず、学歴社会のツァイスでは出世できなかったそうです。

 

なんかことごとくこういう人達ばっかり出てくると、とてつもなく秀逸なアイデアマンって、割と学術的なことを勉強してこなかった人が多いのかもな、とか思ってしまいますね。スティーブ・ジョブズも似たような感じかも?

 

そういえばiPS細胞の山中教授も「深く知りすぎなかったから、逆に常識外の方法でiPS細胞を発見できた」とどこかで言ってましたね。。これってかなり大事な気がします。

「ライカ ゾフォート2」をいきなり親に送り付けてみた件

先月の話ですがライカからインスタントカメラ「ライカ ゾフォート2」が発売されたので、完全に思い付きですが親にいきなりプレゼントしてみました。

プレゼントしたと言っても僕はドイツにいるので、ライカオンラインストアで買った商品を日本の実家に予告もなく送り付けただけなのですが。(なので僕はまだ現物を触ったことはありません)

 

なぜこのカメラをプレゼントに選んだか?理由は二つ。

①両親は絵葉書等を家の壁に飾るのが好きなので、撮った写真をお手軽にプリントできるカメラはうってつけだと思った。

②元祖ゾフォートと違ってゾフォート2は撮った写真をデジタルデータとして保存できるので、後で好きな写真を選んでプリントできる。つまり失敗プリントが無い。

 

父親はコンデジを持っているけど、母親はカメラ初心者&機械オンチだから②は大きい。フィルム代がかさむのが気になって気楽にシャッターを切れないんじゃ、かわいそうですからね。

 

「カメラが届いたよ~?」と親が送ってきた写真↑ かわいいね~ 同コンセプトのカメラとして富士フィルムのINSTAX mni Evoもありますが、個人的にデザインはゾフォート2の方が良いと思います。2台買う余裕があれば、自分用にも欲しい。。

 

富士フィルムのチェキ用フィルムより高くつきますが、せっかくなのでライカ純正フィルムも買って送りました↑

 

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ライカ公式のプロモーション動画↑ スマホで撮った写真もアプリ経由でプリントできるのは良いですね

 

両親はYouTubeのレビュー動画等を参考にしながら、なんとか頑張って使いこなしているみたいです。「外に持っていくと赤色がとにかく目立つ」とか「エフェクト機能がたくさんあって楽しい」みたいなことを言ってますね。

 

今回は何かのお祝いというわけでもなく単に親孝行だと思って思い付きでプレゼントしたのですが、仕事をリタイアして家にいることが多い親へカメラを贈って良かったと思ってます。写真を撮りに外に出かけていくようになるので運動になるし、操作に頭を使うのでボケ防止にもなるかもしれません(笑)

映画)夏へのトンネル、さよならの出口_監督 田口智久_2022

 

 

飛行機で移動中に暇潰しで偶然観たんですが、なかなか悪くなかったです。82分の短い作品です。

 

欲しいものが何でも手に入る代わりにものすごいスピードで時間が進む不思議なトンネルに、二人の高校生が協力して入っていこうとする話です。ベタでシンプルなストーリーが逆に好きでしたね。

ちなみに同名のライトノベルが原作らしいです。

 

大人が見ると懐かしい青春を思い出すはず。。アニメーションというのは偉大ですね。この切なさは実写じゃ無理だろうな。おおげさではなく魂が癒された感というか、観終わった後現実が少し違って見えるような感じがしました。

 

絵は最近の作り込まれた精巧なものとは違って、シンプルなタッチで描かれてます。海辺の駅で電車を待っているシーンの色使いが好きすぎて、巻き戻して3回観ました(笑)

 

音楽もね、結構良かったはず。。如何せん飛行機の音がゴウゴウうるさくて良く聴こえなかったんですよね(笑)